【写真】小倉貿易社長 田辺順三氏の祝辞
生産能力を2倍に強化することで、日本の既存顧客への供給の安定化とともに、欧米市場への進出を図る。
マニラ首都圏マカティ市にある小倉貿易マニラ事務所の佐々木剛所長はNNAに対し、ビコール地域アルバイ州に位置する提携先企業アリンデコの工場敷地内に、新たに機械を導入し生産設備を設置したと述べた。
フィリピンで約30年の事業実績を有する小倉貿易は、2002年にアバカの独占販売契約を締結して以来、アリンデコと事業パートナーの関係にある。アリンデコの子会社を中心に、採繊作業によりグレード別に選別した繊維(原麻)を仕入れ、◇釜で煮沸◇洗浄◇不純物除去◇パルプ化――の工程を経て、日本の製紙関連企業向けに出荷している。主な用途は産業用の特殊紙で、広く知られている紙幣のほか、ティーバッグ、フィルター、絶縁体紙、コンデンサー紙、テープ紙、掃除機パックなどに使用される。
佐々木所長の説明では、増設の計画は2004年10月に持ち上がった。着工は05年6月で、最近、機械設備の据え付けが完了したという。現在は自家発電機を用いた試験運転が続いているが、来月にも始まる本格稼動時には、国家電力公社(Napocor)から直接電力供給を得る方針で、今年初めに一部承認を得ているようだ。
フィリピン国内には、主要なアバカ業者が5社存在する。最大規模を誇るのはミンダナオ島ラナオデルノルテ州イリガン市に拠点を置くニューテック・パルプ。これに◇レイテ州のスペシャルティー・パルプ・マニュファクチャリング(SPMI)◇アルバイ州のイサログ・パルプ・アンド・ペーパー◇アルバイ州のアリンデコ◇ラグナ州のカンルーバン・パルプ・マニュファクチャリング――が続いている。
アバカはフィリピンのビコール、ビサヤ、ミンダナオ各地域のほか、南米エクアドルに生息する多年草植物で、植えつけから約2年で収穫でき、その繊維は水に強いのが特徴。かつてはロープの用途が大半を占めたが化学繊維にとってかわられた。1970年代からパルプ化され、現在では環境意識の高まりもあり、ティーバッグをはじめとする食品関連の需要が大きいとされる。
なお、日本の紙幣はアバカを多く含み強度がある。これに対し、フィリピンの紙幣のアバカ含有率は20%(残り80%はコットン)にとどまっている。



